西検とDELE、スペイン語試験に向けた単語対策
日本でスペイン語の力を示す方法は二つあります。スペイン語技能検定(西検)と、スペイン政府公認のDELEです。前者は日本語で出題される国内の検定、後者は国際資格で、しかも一度取れば生涯有効です。目的によって選ぶものが変わります。
西検とDELEは何が違うのか
西検は6級から1級まであり、設問が日本語で書かれ、和訳と西訳が直接問われます。日本の大学や企業に示す資格として通りがよく、級ごとの範囲もはっきりしています。
DELEはA1からC2までのヨーロッパ言語共通参照枠に沿った区分で、試験はすべてスペイン語です。留学や現地就労を考えるならこちらになります。有効期限がないので、一度の努力で終わります。
どちらを受けるにせよ、点差がつくのは語彙です。
聞き取りで差がつく理由
読解は時間があります。前後から推測でき、戻って読み直せます。聞き取りにはそれがありません。
スペイン語は発音自体は日本語話者にやさしい言語ですが、速さがあります。音がつながり、語末が弱まる。綴りで覚えた単語は、音として飛んでくると別物に聞こえます。「知っているのに聞き取れない」が起きるのはこの段差です。
英語経由の学習が生む取り違え
多くの学習者が英語を先に学んでからスペイン語に入ります。語形が似ているので助けにはなりますが、意味がずれる語があります。éxito は成功であって exit ではなく、largo は長いであって large ではありません。
英語の知識をそのまま当てはめず、スペイン語の語として覚え直す必要があります。
試験日から逆算する
- 三か月前:1日10語、5分。まず頻出語から。
- 一か月前:級やレベルのテーマに沿ったモジュールに移り、週一回の過去問。
- 直前の一週間:新出語を止め、復習だけにする。
新しく覚えたことの70%は24時間で消えるため、前日の暗記は会場まで持ちません。三か月前に覚えて四回復習した語は残ります。間隔反復が扱っているのはこの差です。
Spanish Progressは6,000語を使用頻度順に並べ、各カードに音声を付け、復習を自動で配置します。1日5分で、試験の語彙を計画的に積み上げられます。
DELEには有効期限がありません
DELEはセルバンテス文化センターが発行する資格で、A1からC2までの六段階があります。試験は読む、聞く、書く、話すの四技能で、各段階が独立しています。下の級を持っていなくても、いきなり上の級を受けられます。
英語の試験と大きく違うのが有効期限です。TOEICのスコアは実質二年で古くなりますが、DELEの資格は生涯有効です。就職や留学のために取るなら、この差は小さくありません。一度取れば取り直しが要らないからです。
西検は日本語との往復を直接問います
西検、つまりスペイン語技能検定は日本スペイン協会が実施する国内の試験で、6級から1級まであります。DELEとの一番の違いは、日本語との翻訳が出題形式に組み込まれている点です。
これは勉強の向きを変えます。DELEはスペイン語だけで完結するので、日本語を経由しない練習が有利です。西検は日本語からスペイン語を取り出す力を直接測るので、その向きの復習が必要になります。同じ語彙量でも、日本語からスペイン語の向きは三倍ほど時間がかかります。併願するなら、この差を計画に織り込んでください。
直前の四週間で何をするか
この時期に語彙を増やしても間に合いません。定着には五回から七回の復習が要るので、いま入れた語は当日まだ取り出せる状態になっていないからです。増やすのではなく、持っている語の取り出し速度を上げる時期です。
やることは二つに絞れます。日本語からスペイン語の向きに切り替えて、声に出して回すこと。そして口述のある試験なら、毎日一問だけ本番と同じ持ち時間で答えて録音することです。録音を聞き返すと、どの話題で詰まるかが正確に見えます。詰まる場所はたいてい語彙ではなく、文と文をつなぐ表現のほうにあります。
西検とDELE、どちらを受けるか
目的で決まります。留学や現地就職ならDELEです。国際的に通用し、期限がありません。国内での学習の区切りや、日本語との翻訳力を含めて測りたいなら西検が向いています。
併願も現実的です。語彙の中身は大きく重なるので、追加で必要になるのは向きの練習だけです。ただし試験日と受験地は限られるので、準備が整う前に申し込むほうが結果的にうまくいきます。締切があってはじめて計画が動くからです。