スペイン語の間隔反復:ただの語と、罠の語
スペイン語では、復習を音だけで回せます。綴りと発音が一致している言語だからで、これは英語にもフランス語にもない条件です。復習の設計はこの前提から組み立てられます。
音声だけで復習できるのか
スペイン語の綴りと音はほぼ例外なく対応します。したがってカードは音声だけで機能します。聞いて意味を答える形です。英語では文字カードと音声カードが別のことを教えるため、結局一語を二度覚えることになりますが、スペイン語ではその重複がありません。
歩きながら、画面を見ずに、問いを音で受ける形で回せます。追加の時間を使わずに、文字カードでは絶対に鍛えられない力がつきます。読む速度ではなく会話の速度で語を認識する力です。
ただし地域で音が変わる語があります
z と c の音はスペインと中南米で異なります。スペインでは英語の th に近い音、中南米では s の音です。gracias や cerveza が別の音に聞こえます。
覚え始めの語については、どちらか一方に決めて動かさないでください。同じ語が復習のたびに違う音で入ってくると、定着に倍の回数がかかります。話す相手のいる地域に合わせて選び、もう一方は聞き取れれば十分と割り切るのが現実的です。
スペイン語の単語はいつ復習すればいいのか
忘却を最初に定量化したのはヘルマン・エビングハウス、1885年の実験です。一日で覚えた内容の七割ほどが失われ、七日後に残るのは四分の一程度でした。
曲線は固定ではありません。思い出すことに成功するたびになだらかになります。回数を増やすのではなく、落ちる直前に置くのが要点です。
| 復習 | 前回からの間隔 | 起きること |
|---|---|---|
| 1回目 | 当日または翌日 | ここを外すと後がすべて無効になります |
| 2回目 | 3日後 | 再び曖昧になりますが、それが狙いです |
| 3回目 | 1週間後 | 記憶が持ち始めます |
| 4回目 | 2週間後 | 取り出しが速くなります |
| 5回目 | 1か月後 | 力を入れずに出てきます |
| 6回目 | 3か月後 | 定着、以後は最小限の維持 |
動詞一つにカード五十枚を作らないこと
スペイン語の動詞は人称ごとに語尾が変わり、一つの動詞から数十の形が生まれます。形ごとにカードを作ると、頻出動詞三百語で一か月後には手に負えなくなります。
実際に使う時制に絞ってください。現在形、点過去、線過去。この三つで話し言葉の大半が回ります。接続法は後まわしで、日常的に出る二十語ほどから始めれば十分です。どの形も短い文の中に入れておきます。Fui al cine の一枚が、活用と用法を同時に教えてくれます。活用表を一枚にすると正解が一つに定まらず、採点できません。
組で覚えるべきもの
- ser と estar。どちらも「です」ですが、es aburrido はつまらない人、está aburrido は退屈している人です。
- por と para。日本語では両方「ために」になります。
- saber と conocer。知識か、面識かで分かれます。
両方を一枚のカードに入れ、それぞれに例文を添えて、意味ではなくどちらが入るかを問う形にしてください。答えが一つのカードは訳語を教えますが、選ぶカードは区別そのものを教えます。会話で落ちるのは後者です。
読み返しでは代わりになりません
訳を手で隠し、三秒以内に出るか数えてみてください。はじめてやると、読み返したばかりのリストの半分以上が出てきません。目に馴染む感覚を脳が「覚えた」と解釈するためで、会話が求めるのは思い出す側だけです。
新しい単語は一日何語まで
新規は一日十語が現実的です。復習を合わせて五分ほどに収まります。三十語にすると二週間後に復習量が三倍になり、続かなくなります。数日空けても最初からやり直さず、溜まった分は一日五十枚を上限に減らせば十分です。
これがソフトウェアを必要とする理由
六千語とは六千本の独立したタイマーです。語ごとに日付が違い、その日付は回答のたびに変わります。ソフトウェアが担うのは日程管理だけで、何を覚えるかという選択と必要な語数の目安は別の話です。